歌詞がいいんじゃない。音楽がいいのだ。(4)
Ⅲ.Travisの場合
歌詞も曲の構成要素の一つでやってその本質はやはり耳で聞くということにある。
という意見を押し進めていくと,洋楽だって自由に聴けるようになる。歌詞もわからないくせに洋楽聴いてるとか言ってイキるなよというのはちょっと早計だ。お前の聞いてるそのJ-POPもルーツは洋楽だし,ルーツを知らずに曲を聞くことこそ浅いなんてこともしばしばあるわけで。
歌詞の意味がなくともMVやジャケットだってヒントになるそうしたイメージを通じて曲の音像にアクセスできれば洋楽は聞けたことになるはずだ。
最後に取り上げるのはTravis。あえて歌詞が評価されているバンドを挙げておきたい。他のスコットランドのバンドの例に漏れずケルト音楽由来の北英独特のバンドサウンドを直球で奏でることと文学的と言われる(もちろん私は文学的かは判定不能だ)詩が特徴だ。
言ってしまうと「My Eyes」は生まれてくる子供に向けて歌った曲である。歌詞をちゃんと読むと出生の希望と生きていくことの絶望が混在しているのだが,暗くはないが明るくなりきらない曲調からしても十分イメージできるのではないかと思う。生まれてくる子供に向けてというところはちゃんと読まないとわからないがそこらへんはPVがカバーしてくれている。あと,どうでもいいけど冒頭の「Born to Rock!」って書いてあるTシャツが最高なんだよな。
まあとにかく歌詞がわからないからといって洋楽をスルーするのはあまりにもったいないので聞いてくれ。