いまさら「ロビンソン」と「スピッツ」の魅力を語る(1)
スピッツは世間一般には一発屋ならぬ三発屋だと捉えられているようだ。理髪店という意味でなく。その「三発」に当たる「ロビンソン」「チェリー」「空も飛べるはず」にはいずれも共通点がある。それは,4月に発売された曲であるということだ。つまり,4月はスピッツの月…というわけで,そんな彼らを代表曲ロビンソンとともに紹介したい。
1 ロビンソンに表れているスピッツの特徴
スピッツの特徴はボーカル草野マサムネの書く歌詞の特殊さにあるというのはしばしば言われる。じゃあいったい歌詞のどこが特殊なのか。この点がロビンソンにはよく表れている。
例えば,サビの最後「~宇宙の風に乗り」というフレーズ。宇宙の風という言葉は一見するとおかしい,頭に引っかかる。ところが,言葉の響きと草野マサムネの歌声で耳には自然に入ってくる。このように,言葉としては違和感のある,多様な解釈を生じさせるフレーズが自然と耳に入ってくる,そして頭に残るというのがスピッツの最大の特徴であると思う。
一見難解な歌詞が一般に受け入れられる理由はこの特徴にあるといえる。芸能界きってのスピッツ好きハライチ岩井は,スピッツの歌詞を「局所的に刺さる」と評したのはかなり的を射てると思う。
tokyo.whatsin.jp草野マサムネのマジックは例を挙げればキリがない。強いて一つ分かりやすい例を出すなら「運命の人」の冒頭の「バスの揺れ方で人生の意味が分かった日曜日」はかなりのキラーフレーズなんじゃないだろうか。