ひとやすみ

コンテンツについて語ります。何かあればこちらまで ikkyu19hitoyasumi18@gmail.com

歌詞がいいんじゃない。音楽がいいのだ。(1)

このミュージシャンの歌詞が好きだと思う人がいる。一方で,音楽聞くときに歌詞なんて聞いてないよという人もいると思う。

まあここまではいいとして,歌詞の理解がないあいつはニワカだという人や逆に歌詞カードばっかり見てるやつなんかナードだなんて言い出す人がいるとちょっとまずい。しかし,歌詞は音楽をめぐる論争の火種にもっともなりやすいトピックの一つである。

あえて結論から述べよう。音楽はあくまで音楽であって耳で聞くものだ。ここには疑いがない。それとは別個に,歌詞の持つメッセージが重要だと考えている人がそれなりにいるのではないかと思うが,この思考をちょっと変えてみてほしいというのが私からの提案だ。

つまり,歌詞とは,音楽の持っているイメージを解釈するためのヒントであると。

作詞というのは二つの意味を持つ。すなわち,一つは,ボーカルの響きを決定する。「あなた」とするのか「お前」とするのかで発声も変わってくる。もう一つは,メッセージだ。しかし,そのメッセージは歌詞を読むことによってではなく,歌詞を聞くことによって伝わる。ということは,音楽全体が一つのメッセージを形成していることになる。

 

という風に講釈を垂れ続けても「聞け」という文を「読ませる」というおかしな現象になるだけなので次回からは具体的に歌詞が優れていると言われているミュージシャンについて音楽全体から考察するという方法を検討したい。