古典と創作(2)

古典と創作というのはしばしば対立概念である。一方で，創作と古典は実は同義かもしれないというのが昨日の話だった。

今回は創作を出発点とする。独創的な発想の例として様々なものが考えられる。これらはわざわざ古典に引き付けなくとも，独創的といえるものもあるように思う。例えば，アップル社の製品である。iPodはWalkmanのパクリとかいう話をしているのではない。アップルの新しさは電子端末に機能性よりも直感的な捜査・デザインを重視する価値観にある。

そう，価値観を変えるというのは古典に依らない創作であるように思う。音楽自体にそれを求めることは難しいが売り出し方を変えるといった方法は考えられる。例えば音楽的なすばらしさではなくたくさんの楽器が弾けること良い，あるいは生音をより使った方が良いなど新たな価値観をもたらすものは創作的であるといえるのではないかと思う。

そうすると，ここでの独創的な人は新しい価値を見出してそれを押し付けるのが上手い人ということになりそうである。